ホーホー先生のブレイクタイム(2025.7.22記)

(2025.7.22記)【一般】

 

地上で鳴く、その短い夏に。——蝉の一生から学ぶこと

夏が来ると、どこからともなく聞こえてくる蝉の声。
一斉に鳴きはじめるその音は、暑さを一層際立たせるようでもあり、どこか懐かしさを呼び起こすようでもあります。

蝉の成虫としての命は、およそ1週間から長くても2週間。
でも、地上に出てくるまでに、実は6年から7年という長い時間を、土の中で過ごしています。
誰にも気づかれず、光も差さない土の中で、じっと、地上に出るその「とき」を待っているのです。

ようやく地表に出たその瞬間から、蝉は全力で鳴き、生き、命を次につなごうとします。
その姿は、私たちの「今を生きる」ことの意味を問いかけているようにも感じます。

たとえ見えなくても、心に残る時間がある。
たとえ短くても、全力で生きる日々がある。

静かな土の中で過ごす「準備の時期」と、賑やかな「本番の時間」。
私たちの人生にも、きっとそういうリズムがあるのかもしれません。

夏の蝉の声に、少し耳を澄ませてみませんか?

© International Psychological Science Lab.